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ウィリアム・クォック監督の「アウト・オブ・フレーム」(片甲不留)について

「アウト・オブ・フレーム」(片甲不留)について

日本で初めて紹介される、香港インディペンデント映画界のプリンスと呼ばれる
ウィリアム・クォツク(郭偉倫」の最新長編。

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ウィリアム・クォツクの前作「幽媾」(釜山国際映画祭、ベルリン国際映画祭など)は
中国の田舎を舞台にしたホラー映画だが、香港人の目から見た中国の伝統的な不条理さ
への批判は瞠目すべきだ。最新作はまた北京の藝術村で起きた理不尽や不条理なことへとどめを刺し、
中国人の監督さえ取り扱わない題材を果敢に挑む。その勇気と映画の達成はただものではない。

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北京近郊の芸術村「宋莊」は、政府にとって不都合な絵の展覧会やインディペンデント映画祭や
パフォーマーアートなどを開催したという理由で、常に当局の監視下に置かれていた。
本作はその実在の芸術村をモデルにしている。政府に封殺される画家が自身の血で創作を続け、
公安の暴力に対抗する。監視、監禁され、精神的にも追い詰められた彼はある“取り返しのつかない決断”をする……。

実際、2014年に香港雨傘運動が起きた直後、「宋莊」の芸術家たちは連帯声明を出して
学生たちを支援したが、すぐ公安に逮捕され、半年以上の刑罰を科された。
この映画が完成した現在でも、拘束されたままの芸術家がまだ居るのだ。
これはそういう芸術家たちに捧げられた映画である。

本作は香港で自主上映される度に大変話題を呼び、映画評論界でも絶賛されたに関わらず、
いまだに劇場公開できていない。今年の香港国際映画祭に選出されたことにはこの映画を
擁護した文化人たちは次々とネットなどの媒体に国際映画祭の自主検閲が行われていないかと疑問を投げかけた。

本作から、香港の自由な創作環境もいずれは中国のようになると恐れる監督の視点が読み取れるだろう。

今回の日本・香港インディペンデント映画祭の開催も、この自由な環境を守るための一つの
ささやかな反抗声明と考えて頂けたらと思う。

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